埼玉県さいたま市にある岩槻区。東北道のインターチェンジがあり、関東と東北を繋ぐ玄関口でもある岩槻という街を皆さん知っているでしょうか?
普段通り過ぎていて、降り立ったことはない…という方も多いのではと思います。
通りすぎるだけじゃもったいない!城下町、そして人形の街として歴史ある岩槻には様々な魅力が沢山あります。
岩槻祭りにくると、耳に残って離れない「ツキツキ岩槻♪城下町~」の市民音頭。
子供の頃一度は覚えた『岩槻郷土かるた』、「岩槻の、畑にならぶ、ねぎぼうず」の札が取り合いになる。
小学校の授業では、翌年の干支の木目込み人形を自分で作成する。
そんな、岩槻ならではの「あるある」が存在します。
今回は、私が幼少期育った岩槻の魅力を紹介していきます!
人形の街
歴史
岩槻の歴史は、室町時代(1457年)に太田道灌公が岩槻城を築いたことから始まります。
徳川家康が江戸幕府を開いてからは、岩槻は江戸近郊の城下町、日光御成街道の宿場町として500年以上、城下町として賑わい、栄えました。
そのため、岩槻には城跡や城門といった史跡が多数残されており、歴史を感じながら観光をするのにもおすすめの街です。
また岩槻といえば、人形の街です。
岩槻と人形の歴史は、日光東照宮と深く関わりがあります。
徳川家光が日光東照宮の造営にあたり、全国から優れた工匠を集めたのですが造営や修築を終えたあと、宿場町である岩槻に定住した人が多くいました。
彼らは高い技術を活かし、桐箪笥等の製品作りを行っていたといわれています。その中で人形作りを行う人たちもいて、岩槻から技術を広めたと知られています。
当時、岩槻周辺は桐の産地であり、原料の桐粉にも恵まれていました。
また、人形の塗装に重要な水にも恵まれた自然豊かな土地であり、こうした背景もあって岩槻は人形の街へと発展していきます。
からくり時計
人形の街、岩槻の名物スポット「からくり時計」。
岩槻駅東口の時計台では、降り立ったみなさんを人形が歓迎しお出迎えしてくれます。
一見普通に見える時計台ですが、実はからくり時計になっており、決まった時刻になると華やかな人形たちが現れて素敵な音色を奏でます。
華やかな人形たちと、細かな動きに思わず足を止めて時計を見上げる方も多いからくり時計。
ぜひ、皆さんも見てみてください。
実施時間については、下記リンク先をご確認ください。
スポット名 | からくり時計 |
WEB | https://tourist-map.mapion.co.jp/ |
人形工房、商店街
岩槻の人形はすべて、手作業でつくられています。
そのため、今も30か所以上の事業所・工房が岩槻には存在します。
桐粉で作り最も技術に熟練度を要する頭、手足、彩りある着物の木目込み…
ひとつひとつ、職人が丁寧に愛情を込めて、命を吹き込んでいます。
小学校の社会科見学では人形工房を訪問する学校も多いです。
自分自身も社会科見学で、初めて人形作りを見ましたが近くで人形作りを行う職人さんの仕事見させてもらうと、大切に扱われ、人形たちが美しく彩られていく姿がとても印象的でした。
よく見ると同じものはひとつもなく、どれも朗らかに少しずつ表情が異なっている気づきも、工房見学で学んだことです。
それ以来、ショーウィンドウに並ぶ雛人形を見ると、この子はどんな子だろう…?とよく表情を見るようになったことを覚えています。
工房の見学を行っている所もあるので、気になる方はぜひ見学に行ってみてください。
スポット名 | 岩槻の人形事業所一覧 |
WEB | http://www.saitama-dentousangyou.com/ |
岩槻人形博物館
また、岩槻には日本初の人形専門公立博物館「岩槻人形博物館」があります。
2020年に開館し、岩槻に伝わる人形作りの技術や、人形の歴史に触れることができる博物館です。
常設展では、製作道具や材料の展示や、人形作りを映像で学ぶこともでき、その他伝統的な人形たちを鑑賞することができます。
企画展でも、人形の文化や郷土玩具についての展示がされているのでぜひチェックしてみてください。
スポット名 | さいたま市岩槻人形博物館 |
住所 | 〒339-0057 埼玉県さいたま市岩槻区本町6-1-1 |
営業時間 | 9:00〜17:00 |
定休日 | 月曜日・年末年始 |
電話番号 | 048-749-0222 ※お電話番号はお間違えないようお願い致します。 |
WEB | https://ningyo-muse.jp |
岩槻祭り
岩槻といえば岩槻祭り!
岩槻人形博物館から、駅前、岩槻郷土資料館まで、街全体が盛り上がり数多くの屋台が出店します。
冒頭のタイトルを見てピンときた方は、岩槻に縁のある方ではないでしょうか?
紹介した「好き好き岩槻、城下町」のフレーズは、『岩槻市民音頭 歌:大川栄策、わかばちどり』より「ツキツキ 岩槻 城下町」の歌詞をもじったものです。
岩槻祭りに訪れると永遠と流れ、耳に残る特徴的なフレーズ。
調べてみたところ、岩槻市時代の昭和53年に、市制25周年を記念して制定された曲とのことでした。
岩槻祭り自体も、昭和57年より開催され40年以上続いており、様々な催し物が企画されています。
人形仮装パレード
岩槻人形仮装パレードは、市民が人形や歴史上の人物に扮して通りを歩く仮装パレードです。
まるで豪華歴史絵巻のような、盛大なパレードは圧巻です!
市民の中から公募で選ばれ、街中を練り歩き、最後はジャンボひな壇に登場します。
ジャンボひな段
メインイベントといっても過言でない「ジャンボひな段」
高さ約6~8メートル、幅約10メートルに及ぶ、7段の大きなひな壇に、人形に扮した市民が勢ぞろいします。
また、最上段にたたずむお内裏様とお雛様は、実際に年内に入籍予定の市民カップルが公募で選ばれ、それぞれの役を務めます。
勢ぞろいして並ぶジャンボひな壇は、大迫力でまさに人形の街を代表するお祭りの名物です!
花火大会
更に、岩槻祭りの前後の別日には岩槻花火大会が、岩槻文化公園にて行われます。
埼玉県さいたま市の3会場で開催される、「さいたま市花火大会」の1つであり、関東有数の規模を誇ります。
岩槻文化公園の花火大会は、公園内で花火の打ち上げがあるため大迫力の花火を間近で楽しむことができます。
岩槻駅から徒歩40分と会場が遠く、駐車場の解放もないので、当日は駅からバスで行くことをお勧めします。
ちょっと変?地元民が知る穴場スポット
ここからは、地元の人が知るちょっと変わったスポットを紹介します。
初めてみると驚いちゃう、そんな穴場スポットが実は岩槻にはいくつかあります。
お化け屋敷?ゲームセンター?
車を運転して岩槻を通る人は、こちらの看板を見かけたことがある人もいるのではないでしょうか?
少しレトロで味のあるこの看板、実はゲームセンターの看板です。
一見普通のゲームセンターに見えますが、中に入ると…
急になんで?!お化け屋敷がスタートします。
本当にゲームセンター・・?!
もしかして入口を間違えたのだろうか、、初めて訪れたら間違いなく引き返すでしょう。
不安に襲われながら入口を進むと、ドアが開けばそこはいたって変わらない普通のゲームセンターとなっています。
ほっと一安心・・
ゲームセンターなのに、子供が怖がりそうな仕様ですね!
スポット名 | ウェアハウス 岩槻店 |
住所 | 〒339-0056 埼玉県さいたま市岩槻区加倉3-3-63 |
営業時間 | 9:00〜23:45 |
定休日 | なし |
電話番号 | 048-758-8755 ※お電話番号はお間違えないようお願い致します。 |
WEB | https://www.warehousenet.jp/ |
X(旧twitter) | @whiwatsuki |
ここはニューヨーク?自由の女神in岩槻
こちらも運転をしていると見かけたことがある人も多いスポット。
堂々と聳え立つ自由の女神に、思わず二度見された方もいるのではと思います。
私が子どもの頃、この自由の女神像をみて、実は岩槻とニューヨークが姉妹都市でこの自由の女神はニューヨークの方を向いているのだと本気で思っていました。
なんとなく察している方もいらっしゃるかと思いますが、これはホテルのモニュメントで、岩槻インターチェンジの近くには多くのホテルが存在します。
自由の女神だけでなく、2階から滝の流れる外観のホテルや、宇宙人がエントランスで接客をするホテルなど、ユニークな特徴を持ったホテルも多くホテル街を散策しているだけでも、面白いコンセプトの所が多く楽しめます!
テーマパークのような非日常感が味わえるので、カップルで岩槻に立ち寄る際には、このようなホテルに訪れてみるのもおすすめです。
公園に東京タワー?岩槻文化公園
今度は親子連れ・ファミリーにおススメなスポットです。
岩槻I.Cから車で10分程、「岩槻文化公園」という大きな公園があります。
多目的体育感もあり、スポーツも楽しめる市民の憩いの場になっているこの公園。
わんぱく広場の隣にひと際目立つ、まるで東京タワーのような形をした大きな赤い遊具が目に入ります。
私たちが子供の頃「東京タワー」と呼び親しんだ、この遊具はひも状のジャングルジムで、下は砂場になっています。
誰が一番早く頂上にたどり着けるか、4か所の足場から一斉に競争したり、普段見られない景色を見たりと、とても気持ちの良い遊び場でした。
また、岩槻文化公園から約850m。歩いて約12分程の距離にある、岩槻城址公園。
こちらもおすすめの公園で、桜の時期になると絶景のお花見スポットとなります。
園内の池にかかる赤い橋と、薄く色づく桃色の桜の花のコントラストが美しく、とても綺麗です!
お花見シーズンは少し屋台も出るので、とても多くの人で賑わいます。
スポット名 | 岩槻文化公園 |
住所 | 〒339-0041 埼玉県さいたま市岩槻区村国229 |
営業時間 | 9:00〜21:00 |
定休日 | なし |
電話番号 | 048-798-8411 ※お電話番号はお間違えないようお願い致します。 |
歴史・文化溢れる城下街 岩槻
岩槻の様々なスポットをご紹介してきましたが、いかがでしょうか?
一人でまったりと城跡巡りをするも良し、友達と人形文化に触れ工房見学するも良し、家族で公園やお祭りに出掛けるも良し沢山の楽しみ方ができる、魅力あふれる岩槻の紹介でした!
まだ訪れたことがない方は、ぜひ遊びにいらしてください!
この記事を書いた人
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移動科学館Science a GoGo代表。星空案内人、科学コミュニケーターとして関東近郊でのイベント企画運営、SNSでの天文情報発信を行う。
子供たちの好奇心の芽を育てることを大事に、サイエンスライター・広報・動画制作・キャリア講師など幅広く活動中。
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