次の世代につなぎたい隠れた魅力に気づける街　大阪狭山市

大阪狭山市という市をご存じでしょうか？
「大阪狭山市出身です。」と大阪在住の人に伝えてもピンとこない人もいて、「堺市のとなり」というと、そっちの方ね！とわかってもらえるぐらい、大阪府の中でもひっそりと影を潜めています。

わたしは生まれてから現在までこの地に住んでいます。
人がものめずらしく集まるスポットやおしゃれなスポット、観光地が特段あるわけではありません。
でも改めて「わたしのふるさと」について考えたときに気づかされたのは、ここは何気ない「日常」に彩をもたらしてくれる街だなということ。そして意外と何も誇れない街なんてないということも。
実は魅力はあるのに見ようとしていなかったのでは、と思わされました（反省）。
わたしが改めて見つけた大阪狭山市の持つ魅力をお届けします！

大阪狭山市の象徴「狭山池」

大阪狭山市は大阪の南に位置する市。人が住みやすい街だなと感じています。
大阪狭山市のHPを見てみると、「東洋経済新聞社の調査『住みよさランキング2022』【子育て編】で、子育てしやすい場所として、大阪狭山市が大阪圏3位、大阪府内では1位にランクインした」といったことが記載されていて、納得！
そして住みやすさの象徴の1つが「狭山池」です。

少し時計の針を巻き戻して狭山池の歴史を振り返ってみます。
狭山池は飛鳥時代に作られ『古事記』や『日本書紀』にも登場した、日本最古のダム式ため池です。約1400年間、下流の田畑を潤してきた歴史あるため池で、過去の改修工事では、有名な行基も携わっています。
また『枕草子』に「さ山の池」という記述があり、多くの歌や絵の題材になってきたようです。
昔の人の心を奪ったように、今なお狭山池の景色に心を動かされています。

現在は狭山池の周りは、お散歩コースや憩いの場になっているんです。
家族や友人とのウォーキング、犬のお散歩、1人でもくもくとランニングする人。
いつしか顔馴染みになって、会話が生まれたり。

ここにくると四季の移ろいを感じることができ、1日のうちでも見せてくれる表情は大きく変わり、どきっとさせられます。春には桜の名所となりライトアップの夜桜も素敵、冬のクリスマス期間はツリーやイルミネーションを楽しむことができます。
また野鳥たちの姿を見ることができます。カルガモやサギ、キジなどの暮らしの場所ともなっています。

夕暮れどきの狭山池は、わたしにとってほっとする時間です。
時間の流れが緩やかになったように感じ、いつまでもこの景色を見ていたいと思います。

安藤忠雄氏設計の狭山池博物館

狭山池を歩いていると、横長の長方形の建物が見えてきます。
これは、さまざまな名だたる建築物に携わってきた安藤忠雄氏設計の「狭山池博物館」です。色味は全体的にグレーでコンクリート打ちっぱなしの無機質な印象。博物館に入るまでにも安藤忠雄氏の建築物を堪能することができます。

建物の壁両面をつたう圧巻の滝とそのしぶき。螺旋階段を昇ると博物館の入口に通ずる空を見渡せる円形のホール。天を仰ぐと空を近くに感じることができるような気がします。
どこを歩いていても空がきれいに見え、空と水と建物のコントラストが美しく、神秘的な空間。

博物館の中に入ると、大きな堤が出迎えてくれます。これは狭山池の堤の断面を移築展示したものです。狭山池は何度も改修工事が繰り返されていて、各時代の知恵と工夫が結集され、現在まで受け継がれています。堤の土層にその歴史が積み重なっているとのこと。
すばらしい知恵を後世に遺していこうとする意志をこの博物館から感じました。
たくさんの偉人の手によって大切に残されてきた狭山池。
とても誇らしい気持ちになりました。

狭山池を一望できるカフェFLOUR(フラワー)

狭山池からほど近く、赤茶色の屋根がかわいいお店「FLOUR(フラワー)」

1階はケーキや焼き菓子、パンなどが勢ぞろい。ケーキは常時15種類ぐらい、焼き菓子はマドレーヌ、フィナンシェ、ロールケーキ、カステラ、パイなど豊富で、あれもこれもと欲しくなってしまいます！また長期保存ができる缶クッキーなどもあります。

2階にはカフェスペースがあり、朝からにぎわっています。
モーニングではトーストセットやサンドイッチセット、ランチではパスタや豚料理、カルツォーネなどのセットがあります。ランチにはスープやサラダ、パン(カルツォーネ以外)がついてきて満足！(ランチメニューはその都度変更があるかもしれません)

カルツォーネにはシーフードとマルゲリータ、ヴィーガンと3種類あり、食べたのはマルゲリータ。中のトマトがフレッシュで酸味と甘みのいいバランス！
またランチセットを注文した方はケーキやドリンクが20%OFFになり、お得にスイーツまで楽しめます！

店内には暖かい日差しが降りそそぎます。
ご飯を楽しみながら、狭山池の景色が一望できて気持ちいいです。

お腹が満たされると、少しウォーキングしたくなりますね！

芳醇なコーヒーの香りにほっと一息 自家焙煎工房カフェ little island

お店の外にまでコーヒーの香ばしいが香りが漂ってきて、吸い寄せられるかのようにお店に入ってしまいます
お店の名前は「自家焙煎工房カフェ little island」

店内は木を基調とした温かみがある落ち着いた空間です。壁一面に木のパズルピースを敷き詰めたような世界地図が貼られ、テーブルには地球儀や兵隊の人形などのオブジェがあり、少し異国のにおいも感じました。

席は4人がけのテーブル２つと、2人がけのテーブルが１つ、それにテラス席もあります。
モーニングはトースト数種類、ランチではパニーニがあって、スイーツではマフィンやチーズケーキ、ティラミスなども。
頼んだチーズケーキはソフトクッキーにサンドされています。チーズケーキがあぶられていてクリームブリュレを食べているかのように濃厚でした。

常時20種類以上のコーヒー豆が用意されており、豆の購入もできます。
ほっと一息するのにぴったりの場所です。

街に愛されるすてき夫婦が営む、ご褒美パンが並ぶベーカリー BLUE TREE FAVO

扉を開けるとパンのいい香り。ここは２号店の「BLUE TREE FAVO」です。
もともとは2号店から徒歩10分歩いたところにある、たった４坪のパン焼き小屋「BLUE TREE BAKERY」からスタート。

食パンや種類豊富なダマンドクロワッサン、季節のパン、ホットドッグなどのお惣菜パン、その他あわせて60種類ほどのパンがあります！
ご夫婦で営まれていて、お2人はコーヒーにも精通されており、こだわりのコーヒーをテイクアウトすることもできます。

食パンがとってもおすすめなんです。「もっちり湯種食パン」と「角食パン」の2種類をベースに、土日限定の食パンもあります。この日はもう食パンは完売···！
湯種食パンは、国産小麦の「ゆめちから」の湯種やライ麦などがブレンドされていて、もっちりさくっとした触感がたまりません。
日曜日のお昼ごろだとかなり数も少なくなっていました。売切れてしまうと早めの閉店もあるので、お早めに！

ご夫婦の優しい笑顔に癒され、おいしいパンで心が満たされます。
日常のちょっとしたご褒美にも最適です。

狭山の空を一望できる大阪最古のプラネタリウム

続いて紹介するのは「大阪狭山市立公民館プラネタリウム」
小学生ぐらいの時に、父、母、祖母と一緒に来た記憶がうっすらあるぐらいで、プラネタリウムがあったことすら忘れていました(笑)
久しぶりに足を運んでみると懐かしい記憶がよみがえってきます。

なんと大阪狭山市のプラネタリウムが大阪現役最古のプラネタリウムだとか！
茨木市にあったプラネタリムが大阪最古でしたが、50年の幕を閉じたため(11月26日にオープンの文化·子育て複合施設おにクルへと移転)、そのバトンを受け継いだとのこと。
46歳。まだまだ現役で頑張ってほしい…！

「太陽、月、地球どれが一番大きな惑星でしょうか？」
今月は『宇宙スぺシャル　クイズでGO！』がテーマ。ガイドさんがクイズ形式で案内してくれます。恥ずかしながら地球が一番大きいと思ってしまっていましたが(笑)、なんと太陽→地球→月の順に大きいとのこと。また太陽系の周りには地球含め8つの惑星があり、そのなかで一番大きな惑星は木星。などなどいろんなクイズが繰り広げられ、盛り上がります。

宇宙のことは未知だらけ。
クイズのあとは狭山の夜から朝にかけての星の動きを眺めます。
狭山の夜空を見ながらギリシャ神話の物語にうっとり。

「わたしのふるさと」に出会い直す

自分のふるさとについて考えを巡らせることなど今までしてきませんでした。
けれども自分の住む街に想いを馳せてみたら、今まで見えていなかった魅力に気づくことができました。当たり前の日常の大切さを思い出させてくれました。

わたしたちは何度でもふるさとの魅力に出会い直すことができると思います。
みなさんも一度自分の住む街に向き合ってみてはどうでしょうか。
そしてもし大阪狭山市にそんな魅力があるんだ！と思ってくださった方は、ぜひ大阪狭山市に足を運んでみてください！お待ちしています！

この記事を書いた人

佳歩ライター

ライター｜誰かの人生のものがたりを紡ぎたい
気になることは、生き方・暮らし・読書・写真・アート・京都

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