みなさんは日本の郷土料理をいくつ知っていますか?
郷土料理にはその土地の歴史や人々の想い、ふるさとの魅力がぎゅっと詰まっています。
旅先でその土地ならではの郷土料理を味わいたいと思っても、地元以外ではなかなか知る機会がありません。
今回は愛知県・静岡県・三重県の東海3県にスポットライトを当て、地元で人気の郷土料理をご紹介します。
レシピもお伝えするので、ぜひご自宅でもふるさとの味を楽しんでください。
愛知県の郷土料理は、赤味噌グルメが目白押し!
織田信長や徳川家康などの名だたる武将のふるさとである愛知県。
愛知県の食を語る上で欠かせないのが、「赤味噌(豆味噌)」です。
愛知県で主に食べられる赤味噌は、大豆、塩、水のみで作られます。
一般的に使われる米味噌より熟成期間が長いため、深い褐色となり、力強いコクと濃厚な旨味が感じられるのが特徴です。
赤味噌を使う「味噌煮込みうどん」や「味噌おでん」、「味噌カツ」などは全国的にも人気があります。
愛知の郷土料理「酢味噌そうめん」!赤味噌の使い方に地元の技あり!
数ある愛知県の郷土料理の中から、今回は「酢味噌そうめん」をご紹介します。
赤味噌とお酢の濃厚だれと、さっぱりしたそうめんは相性抜群!
「酢味噌そうめん」は家庭の味なので、飲食店ではなかなか見かけないかもしれません。
とは言っても作るのに特別な材料はなく、全国どこのスーパーでも揃えられる材料ばかりです。
ご家庭でも再現しやすい料理なので、ぜひ気軽に試してみてください。
ちなみに、余った赤味噌だれは野菜のディップソースにするのもおすすめです!
酢味噌そうめんのレシピ
<材料(2人分)>
- そうめん 2束
- きゅうり 1/3本
- 大葉 1~2枚
- みょうが 1個
- 赤味噌 大さじ2(※)
- みりん 大さじ1と1/2
- 砂糖 大さじ1と1/2
- お酢 大さじ1
- 白ごま お好みの量
- ごま油 お好みの量
<作り方>
- きゅうり、大葉、みょうがは千切りにして水にさらし、ざるに上げておく。
- みりんを10秒程レンジで加熱してアルコールを飛ばし、赤味噌、お酢、砂糖とよく混ぜ合わせる。
(※)赤味噌は個性の強い味なので、少しずつ混ぜ合わせて好みの濃さに調節するのがおすすめです。 - そうめんを袋の表記通りに茹でる。
- うつわにそうめんを盛り、①と②を添えて白ごまを散らす。
- さらりとごま油をかけて完成。混ぜながらめしあがれ。
郷土料理で海の幸も山の幸も味わい尽くす!静岡県はグルメなふるさと
静岡県は、ワサビやミカン、お茶などの農産物の生産が盛んです。
アジやマグロ、桜エビなどが豊富に獲れる良い漁場としても知られています。
食材の種類も量も格段に多い静岡県は、まさに「グルメなふるさと」。
そんな静岡県では、黒はんぺんが特徴的な「静岡おでん」や、「金山寺味噌」、「安倍川もち」などの郷土料理が生まれました。
メインからデザートまで揃う幅広い顔ぶれに、グルメな静岡らしさが感じられます。
静岡の郷土料理「イカメンチ」!地元を元気付ける母の味!
今回ご紹介する「イカメンチ」は、野菜と魚の両方を使った静岡らしい料理です。
噛めば噛むほどにじみ出すイカの旨味と、野菜の甘味がやみつきになります。
昔はイカが余るほど水揚げされたので、お祝い事やおもてなしにどの家庭でもよく作られたそうです。
地元の母の味として長く親しまれてきましたが、今は食べ歩きグルメになり、町おこしにもひと役買っています。
ぜひ出来立て熱々で食べてほしいグルメです。
イカメンチのレシピ
<材料(8個分)>
- イカ 200g(約1〜2はい)
- アジ 100g(3枚下ろしで約1尾分)
- 玉ねぎ 80g(約1/2個)
- にんじん 80g(約1/2本)
- 卵 1個
- 薄力粉 20g
- 砂糖 15g
- しょうが 10g(すりおろし)
- 塩 大さじ1/2弱(約7g)
- 油 適量
<作り方>
(下ごしらえ)
- ・アジは3枚下ろしにし、皮も取る。
- ・イカの皮や口、目玉、軟骨、ワタを取り外し、洗って水気をよく拭き取っておく。
(※)魚屋さんや、スーパーの鮮魚コーナーでお願いするのがおすすめです)
- 水気をよく拭き取ったイカを包丁で細かく叩き、ミンチ状態にする。
エンペラとゲソは細かめのぶつ切りにする。 - アジの水気を拭き取り、包丁でミンチ状態にする。
- 玉ねぎのにんじんはみじん切りにする。
- 全ての材料を粘り気が出るまでよく混ぜる。
- 油を170℃位に熱する。④をスプーンですくってそっと落とし、揚げ焼きにする。
- 両面がきつね色になったら、完成。
三重県の郷土料理は海産物がずらり!王道から珍味まで揃った海の国
三重県は漁に有利な入り組んだ海岸線をもち、海産物の名産地として知られています。
古くは「御食国(みつけくに)」と呼ばれ、朝廷にアワビや海藻などを献上する役割をしていました。
そんな三重県では、海の幸を使った郷土料理がいくつも生まれています。
「アジのたたき」や「たこ飯」など、といった王道の料理から、「さめなます」や「まんぼうの酢味噌あえ」など、他の地域では出会えない個性派まで多種多様です。
三重の郷土料理「手こね寿司」!2度味わう地元の知恵に思わずうなる!
ご紹介するのは、三重県を代表する郷土料理の「手こね寿司」です。
漁師が船上で魚をさばき、手でこね合わせて作ったことが名前の由来と言われています。
醤油漬けにした赤身魚にたっぷりの薬味がアクセントになって、とても豪華な一品です。
調理が手軽でよく家庭で作られますが、余ったらチャーハンにリメイクするのが定番だそうです。
炒めることで魚の臭みや酢飯の酸味がやわらぐためチャーハンの方を好む人も多く、飲食店でも提供されています。
お祝い事にも普段の食卓にも彩を添える、おすすめの一品です!
手こね寿司のレシピ
<材料(2人分)>
- カツオ(刺身用) 100g
- ごはん(温かいもの) 2人分
- ◯醤油 大さじ3
- ◯みりん 大さじ1
- ◯砂糖 小さじ1/2
- ◾️お酢 大さじ3
- ◾️砂糖 大さじ1
- ◾️塩 小さじ1/2
- 大葉 4〜5枚
- しょうが 1かけ
- 小ネギ 適量
- 刻み海苔 適量
- 白ごま 適量
- ごま油 適量
(※)◾️は市販のすし酢で代用可。
<作り方>
- カツオを1cm幅に切り、◯に最低30分以上漬け込む。
- 大葉や生姜を千切りにする。
- ◾️をよく混ぜたら、ごはんに回しかけて切るように混ぜて冷ます。
- 器に③を盛り、①をのせたら、漬け汁をスプーン1〜2杯回しかける。
- 上から②と刻み海苔、小ネギ、白ごまを散らし、ごま油をさらっとかけて完成。
旅先でも家でも!郷土料理で味わう、ふるさとの魅力
今回は東海地方の郷土料理から、おすすめの3つを厳選してご紹介しました。
どの料理も、その土地でとれる食材のよさを知り尽くした地元の人たちに、大切にされてきたものです。
その分、一品一品にふるさとの魅力が凝縮されています。
旅先で本場の味を楽しむことはもちろんですが、野菜も魚も発酵食品もとれる東海地方の郷土料理は健康的で、いつものごはんにもおすすめです。
旅先でも家でも、郷土料理でふるさとの魅力を楽しんでくださいね!
この記事を書いた人
- 「郷土料理(ふるさとごはん)の暮らしすと」として、いつものごはんやおやつに日本各地の郷土料理を作って暮らしています。調査と試作をした郷土料理たちのレシピをエッセイとともにInstagramにて発信中。
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