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転職した際ふるさと納税はどうなる?手続きや計算方法を解説

転職を控えている方や、すでに新しい職場で働き始めた方の中には、「ふるさと納税の手続きはどう変わるのだろう?」という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

ふるさと納税は、実質負担2,000円程度で各自治体の特産品を受け取ることができ、地域貢献にもつながる魅力的な制度です。

しかし、転職によって年収や給与体系、住民税の納付方法が変化すると、ワンストップ特例制度の再申請や控除限度額の調整といった追加の手続きが必要となる場合があります。

今回の記事では、転職とふるさと納税の関係性を基礎から解説し、転職前後に注意すべきポイントや手続き、計算方法などを解説していきます。

ふるさと納税をしているけど、転職した・する予定があるという方は、ぜひ参考にしてください。


ふるさと納税の基本

ふるさと納税は、寄付を通じて地域を応援しつつ、寄付金の一部を住民税や所得税から控除できる制度です。

転職をすると年収や住所が変わり、控除上限額や書類の提出先にも影響が出ることがあります。まずは、ふるさと納税の基本的な仕組みを理解したうえで、転職によってどのような点が変化するのかを把握しておきましょう。

ふるさと納税の仕組みとは?

ふるさと納税では、自治体に寄付を行うと、寄付金額から2,000円を除いた分が住民税と所得税から控除されます。控除を受けるためには、寄付金受領証明書などを用いた確定申告、もしくはワンストップ特例制度を利用する必要があります。

複数の自治体に寄付する場合は、その分だけ返礼品を受け取れる楽しみがありますが、寄付先が5自治体を超えるとワンストップ特例を使えない点に注意が必要です。

ふるさと納税のメリット・デメリット

ふるさと納税には以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリットとしては、

  • 地域の応援ができる
  • 税控除を活用することで実質負担が軽くなる
  • 返礼品で地域の特産品が楽しめる
    が挙げられます。
    一方で、デメリットとしては、
  • 控除上限を超えると自己負担が増える
  • 書類の管理や確定申告が必要(ワンストップ特例を除く)
  • 返礼品を選ぶ際に迷いやすい
    といった点が挙げられます。転職が絡むと、年収や住所の変更による手続きが加わるため、メリット・デメリットを比較しながら計画的に寄付することが大切です。

転職で変化するポイントは?

転職では、給与額や雇用形態、勤務地の変更に伴って住民税の徴収方法が変わるケースがあります。住民税の納付方法が給与天引き(特別徴収)から納付書払い(普通徴収)に切り替わる可能性もあるため、ふるさと納税の控除適用時期に影響が出ることがあります。

年収の見込みが変わるケース

転職で収入アップを見込めるなら、控除上限額が上がり寄付金額を増やせる可能性があります。逆に年収が下がる場合、前年と同じ金額を寄付すると上限を超え、自己負担が増えてしまうかもしれません。シミュレーションツールを使って寄付計画を立てると安心です。

住民税の支払い先が変わるケース

1月1日現在で住民票がある自治体に住民税を納めるのが基本ですが、転職時期や引っ越しを伴う場合は給与天引きの有無が変更になることがあります。

転職先の人事担当者に確認しておくと、いざ年末調整のシーズンが来た際にスムーズです。最終的には各自治体の通知書をよく読むことで、誤った納付を防げます。

転職時のふるさと納税手続き

転職前後に注意すべき手続きとしては、年末調整や確定申告、ワンストップ特例の再申請などが挙げられます。

転職先が決まる前に知識を身につけておくと、余裕を持って対応できるでしょう。

ここからは内容をそれぞれ解説していきます。

  • 転職先決定前にやっておくべきこと
  • 入社後に必要な書類と提出先

転職先決定前にやっておくべきこと

転職先がまだ確定していない段階でも、次のような準備を進めておくと便利です。

例えば、以下のような事があります。

  • 自身の年収見込みやライフスタイルを整理しておく
  • ふるさと納税のポータルサイトなどでおおよその控除上限額をシミュレーションしておく
  • 寄付したい自治体・返礼品を絞り込んでおく

これらを行うことで、転職先が決まった後にすぐ寄付を進められます。

ただし、あまり早く寄付をしすぎると、転職後の収入減で上限額オーバーになる可能性があるため、タイミングの見極めも大切です。

入社後に必要な書類と提出先

入社後に年末調整を受けられる場合、寄付金受領証明書を会社に提出すると、ふるさと納税分が給与からの天引きで調整されます。

ただし、ワンストップ特例制度を利用している場合は、住所や氏名が変わった際に自治体へ改めて変更届を提出しないと控除が無効になる恐れがあります。
また、転職先によっては年末調整を受けられない場合(年の途中での転職やアルバイト雇用など)もあるため、自分で確定申告が必要かどうかを人事担当者に確認することが重要です。

年末調整と確定申告の違い

年末調整は会社が従業員の税金を整理してくれる仕組みで、一般的な給与所得者が使用します。

しかし、複数社で働いていたり、ワンストップ特例の条件を満たさなかったりする場合は、自分で確定申告を行う必要があります。確定申告では寄付金受領証明書を添付し、ふるさと納税の寄付金控除を正しく申告しましょう。

ワンストップ特例制度の利用可否

ワンストップ特例制度を使えば、確定申告なしでも住民税の控除を受けられますが、

  • 寄付先が5自治体以内であること
  • 転職後の住所や氏名変更を速やかに届け出ること
  • 年末調整の対象となる給与所得者であること

といった条件を満たす必要があります。条件を外れた場合は、確定申告を行って寄付金控除を申請してください。

住民税の特別徴収と普通徴収の切り替え

給与からの天引き(特別徴収)で住民税を納めていた方が、転職により一時的に普通徴収へ変更されるケースもあります。普通徴収になると自治体から納付書が送付されるため、スケジュールを把握して確実に納める必要があります。

ふるさと納税の控除額も、普通徴収の場合は翌年度分の住民税からの控除になるため、年度をまたぐタイミングに注意しましょう。

転職後のふるさと納税の計算方法

転職後の給与体系や家族構成、各種控除の有無によって、ふるさと納税の控除上限額が変わります。

見込み年収をもとにシミュレーションツールを活用し、オーバーしない範囲で寄付額を決めるのが基本です。

ここからは転職後のふるさと納税の計算方法として以下の内容を解説していきます。

  • 年収変動による控除額の影響
  • 簡単シミュレーションの活用方法

年収変動による控除額の影響

年収が増えれば、ふるさと納税に回せる金額も多くなる傾向があります。一方で、転職時期や給与形態によって年収が大幅に減少する可能性がある場合は、控除上限額も下がるため要注意です。

特に、残業代がなくなる、成果報酬型になるなど、予想外の収入変動が発生しやすい転職形態の場合、こまめにシミュレーションし直すことが大切です。

給与収入と控除上限の関係

給与収入の増減はもちろん、扶養家族や社会保険料の金額も控除上限に影響を与えます。扶養控除の数や生命保険料控除などの各種控除を考慮に入れなければ正確な上限額を算出できません。

転職先で昇給・降給が予定されている場合は、その見込みを含めてシミュレーションするのがおすすめです。

簡単シミュレーションの活用方法

ふるさと納税専用サイトや、各自治体が提供するシミュレーション機能を活用することで、大まかな控除上限額がわかります。

複数サイトで試してみると細かな差があるため、平均値や共通点を目安にするのが良いでしょう。最終的には実際の給与明細や源泉徴収票と突き合わせるのが確実です。

シミュレーションツール選びのポイント

シミュレーションツールを使う際には、入力項目が充実しているかを確認してください。

例えば、以下のようなものがあります。

  • 扶養人数を正確に設定できるか
  • 社会保険料や生命保険料、住宅ローン控除など他の控除項目の入力欄があるか
  • 寄付可能金額の複数パターンを比較できるか

上記をチェックしておくと、より正確な寄付上限額を把握できます。

ツールによっては推奨返礼品が表示されることもありますが、あくまで参考として活用し、最終的な判断はご自身の収支状況に応じて行いましょう。

転職前後で押さえておきたい注意点

転職に伴うライフスタイルの変化は、ふるさと納税だけでなく税金全般に及びます。

転職前後で押さえておきたい注意点を「会社員から個人事業主への転職の場合」「急な収入減や増がある場合」「転職先が決まらない期間中」に分けて解説していきます。

会社員から個人事業主への転職の場合

会社員から独立して個人事業主になる場合、年末調整が受けられなくなるため、確定申告でふるさと納税の寄付金控除を申請する必要があります。

開業届を提出する時期や、事業所得の見込みが流動的なタイミングでふるさと納税を行うと、控除上限を大きく超えるリスクもあるので注意が必要です。

開業届や青色申告との関連

個人事業主として開業届を提出すると、青色申告特別控除を受けるために必要な記帳や帳簿管理が始まります。ふるさと納税自体は寄付金控除として処理されるため別枠ですが、事業所得の確定申告と同時に寄付金の申告を行うことになるので、寄付金受領証明書の保管は必須です。

余裕を持って手続きを進めましょう。

急な収入減や増がある場合の対処法

試用期間中は給与が低めに設定されていたり、業績連動でボーナスが大きく変動したりと、想定外の収入変動が起こりやすいものです。

もし、ふるさと納税の寄付を多めに行って上限を超過してしまった場合、その分は自己負担となるため、こまめに寄付金額を見直すとリスクを減らせます。反対に、給与が急増した場合は、年の途中でも追加寄付を検討するとより控除の恩恵を受けられるでしょう。

転職先が決まらない期間中のふるさと納税

転職期間が長引き、想定より収入が少なくなると、ふるさと納税の控除上限額が下がります。結果的に自己負担が増えるリスクがあるため、転職先が決まるまでは大きな金額の寄付を控えるのが無難です。

無職期間中に医療費などの想定外支出が発生することもあるため、まずは生活費を優先し、転職後に余裕がある場合に寄付を検討するほうが安心でしょう。

まとめ

転職後もふるさと納税を活用するには、収入や住所の変更に伴う手続きを正しく行うことが重要です。ワンストップ特例制度の再申請や、控除上限額の調整を見落としていると、返礼品は受け取れても控除が受けられないケースがあります。

年収シミュレーションや自治体からの通知をこまめに確認し、必要な書類を期限内に提出すれば、転職後もふるさと納税を最大限に活かせるでしょう。自分の状況を整理しながら、制度を上手に利用して地域を応援してみてください。


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